【第16代】故国原王(斯由)[16-1]

 故国原王(国岡上王ともいう。在位:331~371年)は、諱を斯由(もしくは釗)という。美川王15年(314年)に太子となり、32年(331年)春、王が薨去したため即位した。

 2年(332年)春2月、王は卒本へ行幸して始祖廟を祭った。このとき、老人や病人を慰問し、食糧や衣服を分け与えた。
 春3月、王が卒本から戻った。

 4年(334年)秋8月、平壌城を拡張した。
 冬12月、王都に雪がなかった。

 5年(335年)春正月、国の北部に新城(遼寧省撫順市)を築いた。
 秋7月、霜が降りて穀物を枯らした。

 6年(336年)春3月、大星が北西方面で流れた。王は東晋(317年 – 420年)に遣使し、方物を献上した。

 9年(339年)、前燕の慕容皝(初代皇帝)が高句麗へ侵攻し、新城まで攻め込んで来た。王が同盟を求めたため、前燕軍は引き上げた。

 10年(340年)、前燕に朝貢し、王の世継ぎが前燕王の慕容皝にまみえた。

 12年(342年)春2月、丸都城を修復し、国内城を築いた。
 秋8月、王は住まいを丸都城に移した。
 冬10月、前燕が龍城(遼寧省朝陽市)に遷都した。
 建威将軍の慕容翰(慕容皝の兄)が、高句麗を奪い取ってから宇文部を滅ぼし、その後に中原へ進出することを請うた。

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