冬のある日。
将軍たちが雪が降り積もっているにもかかわらず出猟した。
狩りが終わると天幕の中で宴会が始まった。
ある将軍が部下に命じた。
「うぅ~、寒い、寒い、寒い。はやく火を焚け! 薪をどんどんくべろ!」
しばらくすると、たらふく呑んだ酒のせいで体がほてり額から汗が流れてきた。
別の将軍が毛皮の上着をぬぎながら言った。
「いやぁ、暑い、暑い、暑い。最近は天候不順で、暑いのか寒いのかわからぬなぁ」
隣に座っていた将軍があいづちを打った。
「そう、そう、そう。こう天気が定まらないと、作戦の立て方も難しいのう。まことに大変じゃ」
将軍たちの会話を外で聞いていた門番が思わずぼやいた。
「オレが立っているところは、ずっと正しい天候だから、寒くて寒くてしかたがないや」
こんなのが将軍では勝てる戦にも負けてしまうに違いない。
天候不順の地
