【MV】時代遅れのRock’n’Roll Band

作詞:桑田佳祐
作曲:桑田佳祐
歌唱&演奏:桑田佳祐、佐野元春、世良公則、Char、野口五郎
 2022年5月23日、桑田佳祐が作った『時代遅れのRock’n’Roll Band』がチャリティー配信シングルとして限定リリースされました。66歳の同級生たちがクインテットとして集結し、実に見事な演奏を披露してくれました。2022年といえば、新型コロナウイルスがまだ猛威を振るっていて、ボクも引きこもり状態の生活を送っていました。そんなとき、この演奏を聴いて、ずいぶん励まされた記憶があります。この頃はYouTubeでループ再生して、毎日何十回も聴いていました。

ボク等の世代にとって、この五人は音楽の神様のような存在です。通常時ならこのメンバーでバンドを組むなんて到底考えられないことですが、あの頃はとにかく緊急事態でしたから、こんなコトが実現したのでしょう。新聞記事によれば、桑田さんが世良さんに「同級生が強調して、今の時代に向けた発信ができないか?」と相談したところ、「桑ちゃんが動けば世の中は動く。ぼくは無条件にあなたの案に乗るよ」という話になり、4人に手紙を送って「トラヴェリング・ウィルベリーズ【註1】みたいなバンドをやらないか」と誘い、4人の賛同を得て、この企画が実現したそうです。

曲はアップライトなカントリー調で、楽しい気分にさせてくれます。そしてボクがとても感銘を受けたのが、世界平和を切実に訴える歌詞です。導入部分の“この頃『平和』という文字がおぼろげに霞んで見えるんだ。意味さえうつろに響く”と、展開部分の“No More No War。悲しみの黒い雲が地球を覆うけど、力の弱い者が夢見ることさえ拒むと言うのか?”がとても印象的です。

ライブエイドやUSA for Africaほど大規模ではありませんでしたが、当時の日本人たちの心を揺すぶったことは間違いないと思います。ちなみにMVの方には、大友昇平(ドラム)、ハマ・オカモト(ベース)、原由子(キーボード)がゲスト出演しています。大友さんの道化師的演技が最高です。再生回数は2025年2月末現在で1335万回です。

【註1】トラヴェリング・ウィルベリーズ(Traveling Willburys) 五人組の覆面バンド。2枚のアルバムを発表し、いずれも大ヒットした。メンバーは、ジョージ・ハリスン、ジェフ・リン、ボブ・ディラン、ロイ・オービソン、トム・ペティ。

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