四人の幼なじみが森の亭に集まって酒を酌み交しながら雑談をしていた。
老人A:「この世の中でいちばん硬いものはなんじゃろう?」
老人B:「お前さんの一物じゃないのか。ハッ、ハッ、ハッ」
老人A:「若い時だったらそうかもしれんがな。今は違うな。残念じゃが」
老人C:「石じゃないのか?」
老人B:「お前さんはあいかわらずアホじゃのう。石なんか簡単に砕けるじゃないか」
老人C:「それじゃぁ、やはり金かのう?」
老人B:「金は刻むことができるから違うじゃろ」
老人A:「ワシは答えを知っておるぞ」
老人D:「うんうん。ワシも知っとるがあえて言わん」
老人A:「だから、お前さんの髭が答えじゃ」
老人C:「え、コイツの髭? どうしてじゃ?」
老人A:「いつも知ったかぶりをする厚い厚い面の皮から突き出てくるんだから、いちばん硬いに決まっとる。ヒッ、ヒッ、ヒッ」
老人D:「だったらオヌシの頭のほうがずっと硬いぞ」
老人A:「な、なんでワシの頭になるんじゃ?」
老人C:「コイツの禿頭がどうして一番なんじゃ? ワシにはさっぱりわからん」
老人D:「ほらっ、ワシの髭でゴシゴシ擦っても、血一滴出やせんじゃないか」
老人A:「痛い、痛い! わかった、ワシの負けじゃ。お願いじゃから髭をどけておくれ」
この老人たち、百歳まで生きそうだ。