人や家畜のフンは肥料として重宝され、税金のかわりなるほどだった。
あるとき、フン集めを生業とする男が寺へ人糞を買い付けに行って僧侶と交渉した。
男が頭を下げて言った。
「お願いします。あるだけ売ってください」
僧侶が言った。
「うちは相場の二倍でしか売らないよ」
男が顔を上げて言った。
「どうしてですか? いくらなんでも二倍ってのは吹っかけすぎですよ」
僧侶が真顔で言った。
「お寺のウンコってのはなぁ、尻の中でしっかり突き固めてあるから、密度が全然違うんだよ、密度が。分かるだろう? 小僧たちはみんな便秘で大変なんだから」
なるほど。