地主の子供と教師の子供がケンカをし、いつも教師の子供が負けていた。
教師の子供が父親に尋ねた。
「父上、アイツはどうしてあんなに強いのでしょう?」
教師が答えた。
「それは毎日毎日肉を食っているからだ」
「そうか。貧乏で肉が食えないから私は負けるのですね」
「そうだ。だが、心配するな。父に妙案がある」
「それはなんですか?」
「孔子様を祭る日にケンカをすればよいのじゃ。この日にはお下がりの豚肉を食べることができるからな」
【註】
昔の教師はみな薄給で肉を買う余裕もなかった。春と秋にある孔子廟の大祭の日、祭壇に捧げられた豚肉が教師たちに分け与えられた。