洒落好きの男(甲)と某所で住み込みの家庭教師をしている男(乙)の会話。
甲:ネコに追われたネズミが逃げ場所に困って竹棒の中へ入ったんだよ。
乙:それで?
甲:ネコが覗き込んで言ったんだ。「管(=館。管と館は同音)には入れても、たくさんある節(季節の節とかけている)は乗り越えられないよ」って。
乙:でも、オレが知ってるネズミ(=自分)は大丈夫らしいよ。
甲:そりゃ~すごいね。日々食べるのに精一杯だと思うんだけど。
乙:確かに松の薪(=薄給)なんだけど、節ごとに松ヤニ(=ボーナス)が出るからね。甲:管の中に松ヤニなんてあるのかい?
乙:ないよ。でも、あれこれ呪文を唱えれば(=ゴマをする)出てくるんだな~。
甲:おみそれしました!
乙:どういたしまして!
住み込みの家庭教師といえば「口下手の貧乏人」というのが相場だが、口八丁手八丁でそれなりに暮らしている人もいるらしい。