監督:ポン・ジュノ
脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジンオン
出演:ソン・ガンホ、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、イ・ジョンウン、パク・ミョンフン
《ストーリー》
ソウルに住むキム一家は家族全員が失業中だ。半地下の狭くて汚い部屋で、その日暮らしの貧困生活を送っている。あまりにもお金がないので、通信はもっぱらFree wi-fiだ。ある日、友人から紹介を受けた長男のギウが、IT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行って合格する。そして、妹のギジョンも兄に続いて息子ダソンの美術の家庭教師として採用される。その後、父親のキム・ギテクが専属の運転手、母親のチュンスクが住み込みの家政婦として採用される。パクの家族が不在のときに、キム一家は高級酒を勝手に飲むなど好き放題。
こんな生活が続くかと思いきや、元家政婦のムングァンが高台のお屋敷を訪問することによって状況は一変する。ムングァンは言う。「地下室にある忘れ物を取りに来た」と。キム一家はパク家に地下室があることを初めて知る。実際に入ってみると男がいた。ムングァンの夫で借金取りから逃れるため4年も住んでいるという。ムングァンは4人が家族であることに気づき、動画を撮影してキム一家を脅すが、二人は逆襲に遇い、地下室に監禁されてしまう。ギウン、ギウ、ギジョンは自宅へ戻るが、大洪水で部屋は水没し体育館へ避難するはめに。
翌日、ムングァンと夫のグンセが心配なギウは地下室を訪れるが、グンセに襲われて殺されそうになる。グンセは地上に出て、キッチンのナイフでギジョンを刺し殺すが、もみ合いの末、チュンスクに刺されてしまう。パク社長はグンセを助けようとするが、体臭のあまりの臭さに鼻をつまむ。その様子を見たギテクは逆上し、パク社長を衝動的に刺し殺してしまう。ギテクは自責の念に駆られ、自発的に地下室に籠もって生活を送るが、ギウとチュンスクはこのことを知らない。
2019年に公開された韓国のブラック・コメディスリラー映画。第72回カンヌ国際映画祭では韓国映画初となる『パルム・ドール』(黄金の椰子)を受賞しました。第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4部門を受賞しました。非英語作品で作品賞受賞は史上初めてのことでした。また、アカデミー作品賞とカンヌの最高賞を同時に受賞した作品は『マーティ』(1955年)以来、65年ぶりでした。日本では2020年の正月に全国公開され、2005年に公開された『私の中の消しゴム』(30.0億円)を抜き、興行収入は47.4億円に至りました。
ボクはお正月に新宿の映画館で観たのですが、どの回も満席でした。評論家の評価も概ね高かったように記憶しています。今回、Amazon Prime Videoで見直したのですが、やはり良かったです。とにかくポン・ジュノとソン・ガンホの組み合わせにハズレはありません。もうすぐ新作『ミッキー17』が公開されます。第75回ベルリン国際映画祭では大絶賛だったようですから、楽しみで仕方がありません。