傲慢な貧乏人

あるところに誰にでも傲慢な態度をとる貧乏人がいた。
あるとき、億万長者がこの男を凹ませてやろうとした。
億万長者が男に尋ねた。
「ワシはこの街の者すべてを100年食べさせられるくらいの金を持っておる。それなのに、どうしてお主はワシに媚を売らんのだ」
男が不遜な態度で答えた。
「オメエが金を持っているからといって、どうしてオレが媚を売らなきゃならないんだ? 意味がわかんねえよ」
億万長者が提案した。
「ワシが財産の半分を与えたら、お主はワシに丁寧な態度をとるか?」
男が怒鳴った。
「何を馬鹿なことを言ってんだ。同じ金持ちどうしなのに、どうして媚を売るんだ? ありえねえよ」
億万長者が別の提案をした。
「それなら、ワシが全財産を与えたら、お主はワシに丁寧な態度をとるか?」
男が面倒くさそうに答えた。
「そうなったら、オレが金持ちでオメエが貧乏人だろう? なんで金持ちが貧乏人に媚を売るんだよ。馬鹿じゃないの?」

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