儒学者の三突き

儒学で名を成した偉い先生がいた。
寝室で房事に及ぶとき、その先生はいつもこう言う。
一突き目。
「わしは色を好んでするのではない。ご先祖様を供養するためじゃ」
二突き目。
「わしは色を好んでするのではない。子供の数を増やすためじゃ」
三突き目。
「わしは色を好んでするのではない。万物の成長を願うためじゃ」
あるとき、新入りの弟子が兄弟子に尋ねた。
「四突き目には何とおっしゃるんで?」
兄弟子は笑いながら答えた。
「いつも三突きで終わっちゃうから、四突き目の言葉は必要ないんだよな~」

房事においても理屈をこねくりまわす者は、儒学者の鏡である。
しかし、三句というのは短すぎる。
せめて論語の一章くらいは唱えてほしいものだ。

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