科挙の受験生が占い師のところへ行った。
「はじめは何をみましょう？」
「一次試験に受かるかどうか調べてください」
占い師は氏名の画数を調べて答えた。
「一番で通過します」
「次は何をみましょう？」
「二次試験に受かるかどうか調べてください」
占い師は生年月日を調べて答えた。
「一番で通過します」
「次は何をみましょう？」
「最終試験に受かるかどうか調べてください」
占い師は手相を見ながら答えた。
「一番で合格します」
「ほかにみてほしいものはありますか？」
「では、将来、大臣になれるかどうか調べてください」
占い師は受験生の顔を見て即答した。
「無理です。占うまでもありません」
受験生が占い師に詰め寄った。
「ど、どうしてですか？ 顔にそのような相が出てるんですか」
占い師は受験生の顔を見たまま答えた。
「私のようなインチキ占い師のところへ来るようでは、魑魅魍魎が跋扈する政治の世界で勝ち上がることなど、とうてい無理です。天寿を全うすることすら難しいでしょう」
インチキ占い師の言うことにも一理ある。
