医者の引越し

評判が悪くなって患者が来なくなった医者が引っ越すことになった。
医者は近所にお礼をしてから出発したいと思ったが、あまりに貧乏であげるようなものが見つからなかった。
そこで、自分が調合した薬を配ることにした。
医者の能力をよく知っている近所の人たちは「病気じゃないから必要ありません」と言って断った。
その言葉を聞いた医者がニコニコして言った。
「心配はご無用です。この薬を飲めば必ず病気になりますから」

医者のマッチポンプほど怖いものはない。