受験生のケンカ理由

あるとき、数年に一度の科挙が開催された。
数日間に及ぶ試験が終了し、受験生たちが受験会場から退場しはじめた。
すると、出口のほうからケンカをする声が聞えてきた。

駆けつけた試験官が門番に尋ねた。
「いったい、どうしたんだ?」
門番があきれて答えた。
「杖を間違える者が続出して収拾がつかなくなっております」
試験官がため息をついた。
「毎年のことだ。ほおっておくしかあるまい」

【解説】
中国の官僚登用試験である科挙は合格するのが非常に難しく、高齢の受験生が珍くなかった。

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