ある年、ある県を大飢饉が襲った。
県政府は穀物を大学に寄付した家の師弟は県立大学の試験を免除することにした。
すると、金持ちたちがこぞって寄付をしたので、在学生たちは飢えることなく授業を受け続けることができた。
翌年、ボンクラ頭の御曹司たちが大挙して入学してきた。
授業初日、在校生たちが新入生たちをバカにして言った。
「うわぁ~、鳥頭の連中がやってきたぞ~」
それを聞いた新入生たちが言い返した。
「おまえたちに鳥頭なんて言われる筋合いはないね」
「偉そうに。どうしてそんなことが言えるんだ?」
「おまえたちだって、親が金を積んで入ったクチだろう? 県の大学にいるヤツなんて、みんなそうだ」
「どうしてわかるんだよ、この新入りのト・リ・ア・タ・マ!」
「ちゃんとした頭があれば、都の大学に入ってるはずなんだよ、古株のトリアタマさ~ん!」
「このやろう。言わせておけば好き勝ってなことばかり言いやがって。『長幼の序』も知らない連中め」
中国には『五十歩百歩』という故事がある。日本の諺なら、さしずめ『ドングリの背比べ』『目くそ鼻くそを笑う』といったところか。