宰予昼寝

孔門十弟子の一人である宰予が昼寝をしていた。
それを見て孔子が言った。
「オマエは朽ちた木か泥土のような役立たずじゃ」
弁舌巧みなことで有名な宰予が言った。
「私は夢で周公に会ってみようと思ったのでございます」
孔子が尋ねた。
「いったい昼間が夢に周公を見るときなのか?」
宰予が目をつむったまま答えた。
「礼節に厳しい周公が夜にお出ましになるとは思えないのです」

『論語』公冶長篇にある話は以下のとおり。
宰予が勉強している最中に昼寝をした。
先生はいわれた。
「朽ちた木には彫刻ができない。泥土の垣根には上塗りできない。宰予を叱っても意味が無い」
先生はいわれた。
「以前は人に対するのに言葉を聞くだけでその行いまで信用した。しかし今は、人に対するのに言葉を聞くだけでなく、その行動まで観察する。宰予を見て考えを改めたのである」

*原文
宰予昼寝、子曰、朽木不可彫也、糞土之牆不可朽也、於予与何誅、子曰、始吾於人也、聴其言而信其行、今吾於人也、聴其言而観其行、於予与改是。

先生が壇上で居眠りを始めた。
それを見て、弟子が大声で質問した。
「先生、先生。論語の公冶長篇にある『宰予昼寝』という四字は、どのように解釈すればよいのでしょうか?」
先生が目をつむったまま答えた。
「『宰』は殺すという意味だ。『予』は自分という意味だ。『昼』は日中という意味だ。『寝』は眠るという意味だ。分かったか? ムニャムニャ・・・」
弟子がさらに尋ねた。
「それでは、全体を通した意味はどのようになるのでしょう?」
「自分の意志を殺して、日中に眠るということだ」
こう言って先生はまた寝てしまった。

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