街中で医者を見つけた巫女が急に泣き出した。
いっしょにいた友人が尋ねた。
「どうして泣き出したりするの。お腹でも痛くなったの?」
巫女が泣きながら言った。
「あの医者が開業してから、私は世間から責められっぱなしなのよ」
友人が慰めながら尋ねた。
「どうしてあなたが責められるの。あの医者となにか関係があるの?」
泣きはらした顔の巫女が説明した。
「私が一所懸命にお払いをして病人を助けても、そのあとであのヤブ医者が薬を飲ませて殺してしまうんだもの。悲しくてしかたがないわ」
巫女の恨み
