差し出す順番

ある日、ヤブ医者が薬の処方を間違えて、役人の息子を死なせてしまった。
その償いとして自分の息子を役人の家へ養子に出した。
またある日、ヤブ医者が薬の処方を間違えて、商人の娘を死なせてしまった。
その償いとして自分の娘を商人の家へ嫁に出した。
またまたある日、ヤブ医者が薬の処方を間違えて、庄屋の召使いを死なせてしまった。
その償いとして自分のところでいちばん働き者の召使いを庄屋へ譲り渡した。
またまたまたある日、往診の依頼があった。
「うちの奥様が熱を出して死にそうなんです。どうか往診に来てください」
ヤブ医者が妻に言った。
「おまえの番がきたようだぞ」

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