極めた結果

煉丹術を極めた道士が死の床に伏せっていた。
見舞いに来た幼なじみが言った。
「おまえは煉丹術の大家なんだから、不老不死の薬を作って飲めばいいだろう。どうして死にそうになってるんだい?」
道士が寝たままで答えた。
「病気を治す丹を作るには高価な材料が必要なんじゃが、それを揃えるだけの金がないんじゃ」
幼なじみが驚いて言った。
「おまえの家は大金持ちじゃないか」
道士が悲しそうな顔をした。
「先生に謝礼を払ったり、鍛錬のために薬材を買ったりして、みんな使ってしまったよ」

まさに宝の持ち腐れである。

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