禁断の香り

ある僧侶がニオイ袋を大切にしていた。
女人禁制の僧坊では女性を見かけることなどほとんどない。
そこで、この僧侶はニオイ袋を女性に見立て、いろいろ妄想して楽しんでいた。
そんな姿を見ていた小僧たちがイタズラを思いついた。
ある日、僧侶が外出しているすきに、小僧のひとりが袋の中身を牛のフンと入れ替えた。
その日の夜、なにも知らない僧侶が帰ってきた。
小僧たちはクスクス笑いながら、僧侶がニオイ袋を出すのを待った。
部屋に入った僧侶はさっそくニオイ袋を取り出してクンクンとかいだ。
そして、いとおしそうにニオイ袋を撫でながら言った。
「あれあれ、若い娘がオナラなんかしてはいけないなぁ」

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