見立て間違い

金満家の主人が僧侶を呼んで講義をしてもらった。
しかし、講義が終わると、僧侶が風邪で倒れてしまった。
主人は高級ベッドが置いてある妻の部屋で休んでもらうことにした。
往診に来た医者は、部屋の様子を見て、患者は夫人だと思い込んだ。
御簾から出た手で脈診した医者は、月経がどうの高年期障害がどうのと、適当なことばかり言ってご機嫌取りをした。
笑いをこらえきれなくなった僧侶は、御簾から頭を出して大笑いした。
その様子を見た医者は、僧侶を間男と勘違いした。
「坊主のくせに、夫人とねんごろになるなんてトンデモないヤツだ。いま見たことは内緒にしてやるから、誤診のことは忘れなさい」

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