長くなる

ある夜、修行僧が尼寺へ来て、一晩の宿を求めた。
尼寺は男子禁制だったが、修行僧が懇願するので、尼僧はしぶしぶ了解した。
客室へ案内した尼僧が修行僧にお茶を出しながら言った。
「『女断ちした男僧の一物は年ごとに長くなる』と聞いたのですが、それは本当ですか?」
「確かに長くなりますなぁ。使わないから磨り減らないのでしょう」
「まぁ、まぁ、まぁ。それでどのくらい伸びるものなんですか?」
「そうですね、一年に一寸くらいでしょうか」
「お坊様は女断ちして長いんですか?」
「そうですね、かれこれ十年になります」
「それは、それは、ようございます」
そう言うと、尼僧は自分の僧衣の裾をまくって、修行僧に尻を向けた。

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