韓国人の名前の由来

 韓国人の名前は、金秀英、張大中というように1字姓2字名が基本で、これは中国人と同じ。でも、昔からこうだったわけではない。韓国人が古来からの氏名を捨てて中国風に変えたというのが真相なのだ。
 古代の韓国人の名前は、韓国の『三国史記』や日本の『日本書紀』、中国の歴史書などに記されている。
 『三国史記』には、新羅第17代の王は『奈勿』(4世紀後半在位)、475年の記事には『再曾桀婁』『古爾萬年』『木劦満致』『祖弥桀取』といった名がみえる。『日本書紀』には百済の将軍として『木満致』『木羅斤資』が登場する。
 これらの名前は当時の音に漢字を当てて記したもの。現代の発音で読めば、古爾萬年はコジマンネン、木羅斤資はモクラコンシになる。5世紀当時は、コジマネ(古爾萬年)、モラキシ(木羅斤資)と発音されていたと想像される。
 中国風の姓名を採用して国内に普及させたのは、三国時代の新羅だ。高句麗、百済、日本に囲まれて圧迫されていた新羅は、中国の制度を導入して富国強兵をはかり、歴代中国王朝と結んで高句麗や百済に対抗した。この過程で名前を中国風にし、それが全国に広がって現在に至っている。
 こういうわけで、韓国には最近まで中国風の名前しかなかった。漢字で表記しなければならないから仕方がない。しかし、民族意識に目覚めた近年は、「ハナ(一)」「ハヌル(空)」「ナラ(国)」「ソリ(音)」といった固有語(純粋韓国語)の名前が急速に増えている。男の子は『族譜』(家系図)で決められた漢字を使う必要がある(一族で同世代の男子は名前に同じ漢字を入れる)ので、純粋韓国語の名前はまだ少数だが、女の子の名前の韓国化はかなり進んでいる。

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