客のまったく来ない占い師が自分から声をかけて客引きをすることにした。
そして、そこへ子供が通りかかった。
「おい、そこのボク。安くしとくから人相を見てもらわないかい?」
子供が振り返って言った。
「あんたが見るのかい?」
「もちろん、そうだよ。ここには私しかいないだろう?」
「じゃあ、オイラがあんたを見てやるよ!」
そう言うと、子供は占い師の顔をじっと見た。
「どう見立てたんだい? 言ってごらん」
「あんたの見立ては当たらないと見立てたよ。ヘッヘー」
この子のほうがよっぽど占い師に向いている。