金の箱から出てきた先祖

 新羅国第四代脱解王の時代、瓢公が月城の西里を歩いていると、鶏林(雉林、鳩林ともいう)の中から光が漏れているのが見えた。林に行ってみると、天から紫色の雲が垂れ下がり、一本の木の枝に小さな金色の箱が引っかかっていた。光は箱から出ており、その下では白い鶏が鳴いていた。
 この話を聞いた脱解王は、自ら林へ赴いてその箱を開けた。中には小さな男の子が寝ており、脱解王を見るとすぐに立ち上がった。
 この子を抱いて王宮へ向かうと、鳥獣が集まり嬉しそうに踊り出した。新羅の始祖王赫居世のときと同じだと思った脱解王は、この子の名を閼智(新羅語で子供の意)とした。
 金の箱から出てきたことから姓を金とし、閼智を自分の太子とした。しかし、閼智は王位を継がず、七世孫の味鄒が第十三代新羅王となった。

(韓国新羅神話)

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