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中国笑話集

饅頭怖い

貧乏な男が一計を案じた。男はマントウ屋の店先で苦しい振りをして大げさに倒れ込んだ。驚いた番頭が店から出てきて言った。「おまえさん、大丈夫かい?」男は心の中でしめしめと思いながら答えた。「は、腹が減って死にそうなんです」新手の物乞いだと気付い...
中国笑話集

極めた結果

煉丹術を極めた道士が死の床に伏せっていた。見舞いに来た幼なじみが言った。「おまえは煉丹術の大家なんだから、不老不死の薬を作って飲めばいいだろう。どうして死にそうになってるんだい?」道士が寝たままで答えた。「病気を治す丹を作るには高価な材料が...
中国笑話集

死者が人質

貧乏な男が死んだ。残された妻はなけなしの金を払い、僧侶に経文を読んでもらった。読経が一段落したところで僧侶が言った。「奥方、お布施が不足して、旦那様が三途の川で迷子になっておられます。このままでは冥途へ行ってしまうかもしれません」妻はヘソク...
中国笑話集

術の手ほどき

子供の新米道士が青年の先輩道士に頼んだ。「先輩、はやく道術を覚えたいんです。どうかボクに教えてください」先輩道士が言った。「それなら今晩、オレの部屋に来い。特別に教えてやる」その日の夜。 132「先輩、約束通り伺いました!」「よし、入れ!」...
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気持ちいいこと

あるところに、とても仲のよい老夫婦が住んでいた。ある晩、老夫婦の部屋から妙な声が聞えてきた。不審に思った息子が、障子ごしに聞き耳を立てると「あ~気持ちいい。あ~気持ちいい」という母親の声がする。息子は思わずつぶやいた。「あんな年になっても、...
中国笑話集

長くなる

ある夜、修行僧が尼寺へ来て、一晩の宿を求めた。尼寺は男子禁制だったが、修行僧が懇願するので、尼僧はしぶしぶ了解した。客室へ案内した尼僧が修行僧にお茶を出しながら言った。「『女断ちした男僧の一物は年ごとに長くなる』と聞いたのですが、それは本当...
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御仏の御加護

貿易船が海で難破してしまった。暗礁に乗り上げてしまい、船を動かすことができなくなった。一ヵ月後、水も食糧も尽き、乗組員の多くが餓死しかけていた。そこへ一艘の船が通りかかった。船員たちは最後の力を振り絞って声を出した。「お~い、助けてくれ~」...
中国笑話集

魔除けのお札

あるところに、魔除けを専門にしている道士がいた。あるとき、屋敷に巣くう亡霊を追い払ってほしいという依頼が来た。久々の仕事だったので、道士は喜び勇んで駆けつけた。そして、正門や母屋の柱に魔除けのお札を貼り、屋敷の真ん中で方術を施した。いつもな...
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靴底

あるところに、靴の修理を生業にしている男がいた。あまりに貧乏で、修理に使う靴底を一足分しか持っていなかった。そのため、わざと緩く縫って落ちやすくしておいて、帰る客の後をつけて拾い、それを次の客の靴修理に使っていた。ある日、いつものように客の...
中国笑話集

大工の手袋

あるところに、不器用な大工がいた。材木を削ったり伐ったりするたびにケガをするので、刀鍛冶に特別注文して鋼鉄製の手袋を作ってもらった。しかし、手は安全になったが、肝心の材木を持つことができない。困った男は同僚に頼むことにした。「印をつけて材木...