Broken Rage

脚本:北野武、ビートたけし、浅野忠信

出演:北野武、大森南朋、浅野忠信、白龍、中村獅童

音楽:清塚信也

撮影:浜田毅、北野武

編集:北野武、太田義則

上映時間:62分

北野武監督総指揮の20作目にあたる最新北野映画。『Broken Rage』は“壊れた怒り”という意味。Amazon MGMスタジオが製作と配給を担当した映画で、第81回ベネチア国際映画祭で世界初上映。現在は『Amazon Prime Video』で無料公開され、世界中で鑑賞することができます。本作は北野武がシャレで作った映画です。というか、長いお笑いコントです。約1時間の映像が、前半部と後半部に分かれていて、前半がシリアスなドラマで後半が前半のパロディー&種明かしという構成になっています。前半部は、北野武演じるヒットマンが警察の犬となって、覚醒剤を売りさばいているヤクザを逮捕する手助けをするお話です。後半部は、始めの方が前半ドラマのパロディー、その後〈Spin Off〉〈時間ちょうせい〉〈Spin Off & Off〉と続き、最後に種明かし的なオチがあります。

この作品は、北野監督が自らを皮肉って自虐的に作った短編映画なのだと思います。わざと安っぽく作ったセット、お笑い芸人が初めてドラマに参加したような大森南朋と浅野忠信の演技、劇団ひとりや堤下敦といったお笑い芸人の出演。一見適当に作られているように見えて、実はそれなりに計算して緻密に撮影されているような印象を受けました。実際、北野監督は本作について、「アウトレイジはヤクザ映画としては、自分なりに昔のヤクザ映画じゃない、現代的な撮り方で撮ったんですけど、それに対してのパロディっていう意味もあって」「自分の“映画のキャリアを壊す”っていう意味もあって、タイトルにつけたんです」などと発言しています。個人的な感想は、『映画作品としての評価は0点』『ロングコントとしてはよくできている』といった感じです。オススメはしませんが、興味がある方はぜひご鑑賞ください、といったところです。

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