中国笑話集

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硬い受験生

人里へ狩りに出ていた兄虎が、うなだれて帰ってきた。洞窟の入口まで迎えに出ていた弟虎が尋ねた。「兄上、どうされたのですか?」兄虎が面倒くさそうに答えた。「人を食べることができなかったから、ハラペコで全然元気が出ないんだよ」弟虎がさらに尋ねた。...
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優雅な僧侶

あるとき、役人が寺院へ行き、管長と話をした。「近頃の坊さんは肉も食べるって聞いたけど、ホントかい?」「晩酌のときに少々いただくことがあります」「なに! 酒も呑むのか?」「はい、舅といっしょに呑んでおります」「嫁がいるのか?」「はい、子煩悩な...
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お礼の方法

眼病をわずらっている男がいた。いろんな医者に診てもらったが、お金がかかるばかりで、いっこうに治る気配がなかった。そんなとき、友人が言った。「民間療法だが、自分の小便を塗ると治るらしいぞ」半信半疑だったが、神にもすがる思いで試してみたら、あっ...
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大学生の証明問題

ある日、武官が夜勤をしていた。深夜になって、門番が若者をしょっぴいて来た。「城門の前で不審者を見つけたので連れてまいりました」武官が若者を詰問した。「おまえは何者だ」「城内の大学に在籍している学生です。どうか見逃がしてください」「大学生のく...
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有り得ない部位

大工たちが居酒屋で酒を呑んで盛り上がっていた。棟梁が言った。「体について有り得ないことを話してみろ! 間違ったら酒を一気飲みだぞ」一番目の大工が言った。「目は前にあって幸せだ。頭の後ろについていたら、いつも首をひねって歩かなきゃならない。こ...
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逆さ亀の婿入り

数々の武功をあげた将軍が、自分の小姓に嫁をあてがった。ある日、嫁の姉が来訪し、奥の間で世間話をしていた。そのとき、見知らぬ男が目の前を悠然と通り過ぎていった。驚いた姉が妹に尋ねた。「こんな奥まで平気な顔して入って来るあの人は、いったい誰なん...
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安住の地

九万九千九百日間、地獄の釜でまじめに務めを果たした鬼がいた。その働きぶりに感心していた閻魔大王は、その鬼になにか褒美を与えようと考えた。家来たちに尋ねると、戸籍係が言った。「あの者は前世が人間ですから、人に生まれ返らせてやるのはどうでしょう...
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鼻と眉の争い

昔の蘇州(現在の江蘇省蘇州市)では、賤民のことを『鼻頭』と言った。ある成金の鼻頭が金を積んで小役人の地位を手に入れた。そのお祝いの宴席で、鼻頭が平民よりも上の席に座った。それを見た代官がとっておきの小話を披露した。鼻と眉が席次を争いました。...
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優秀な息子

あるところに、まったく字を読むことができない男がいた。せめて自分の息子には読み書きさせたいと考え、なけなしの金を払って家庭教師を呼んだ。はじめての授業の日。先生は、息子の手を取り、横棒を一本書かせて言った。「これが『一』という字だ。分かるか...
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名医の探し方

閻魔大王が部下の鬼に命じた。「急患が出たから優秀な医者をすぐに連れてこい!」部下の鬼が尋ねた。「大王様、いったいどうやったら優秀な医者を見つけることができるんですか?」閻魔大王がイライラしながら言った。「おまえは阿呆か。診療所の門前に行けば...