中国笑話集

同じ年に科挙に合格した人たちは『同年』と呼び合い、一生の友として付き合い、互いに助け合った。また、科挙に合格した人の両親は『封君』と呼ばれて尊敬された。あるとき、県主催の宴会が催された。県知事は同年の封君たちも招いた。末席に座ろうとする老夫...

あるところに風水信者の役人が住んでいた。ある日。よく当たると評判の風水先生に占ってもらったところ、川のほとりの土地に墓を建てれば運気が上がると出た。さっそくその土地を買って墓を移したのだが、家運が上昇する気配がない。再度占ってもらうと、風水...

ある薬屋でカブレの薬を売っていた。ある男が入店して尋ねた。「この薬、よく効くのかい？」店員は笑顔で答えた。「それはもう、ひと塗りするだけで、あっという間に治ってしまいますよ、はい」「そうなの？　じゃあ、ひとつもらおうかな」店員が丁寧にお辞儀...

人や家畜のフンは肥料として重宝され、税金のかわりなるほどだった。あるとき、フン集めを生業とする男が寺へ人糞を買い付けに行って僧侶と交渉した。男が頭を下げて言った。「お願いします。あるだけ売ってください」僧侶が言った。「うちは相場の二倍でしか...

よく当たると評判の占い師のところへ男がやってきた。「いらっしゃいませ。あなたは北から来ましたね」「ど、どうしてわかるんですか？」占い師がニコニコして言った。「今日は雨で、北からの風が強く吹いています。あなたの外套は背中だけが濡れています。と...

ある武者、教練中に矢が耳に刺さってしまった。すぐに医者がやってきて診察した。医者は医療用の小さなノコギリで耳から出ている部分を切り取り、そこへ消毒薬を塗った。医者が帰ろうとするので、武者の同僚が尋ねた。「先生、耳の中で刺さったままになってい...

ある僧侶がニオイ袋を大切にしていた。女人禁制の僧坊では女性を見かけることなどほとんどない。そこで、この僧侶はニオイ袋を女性に見立て、いろいろ妄想して楽しんでいた。そんな姿を見ていた小僧たちがイタズラを思いついた。ある日、僧侶が外出しているす...

街中で医者を見つけた巫女が急に泣き出した。いっしょにいた友人が尋ねた。「どうして泣き出したりするの。お腹でも痛くなったの？」巫女が泣きながら言った。「あの医者が開業してから、私は世間から責められっぱなしなのよ」友人が慰めながら尋ねた。「どう...

街の広場で、ふたりの男が言い争いをしていた。「おまえには理性というものがない。そんな危いヤツとは付き合ってられないね」「おまえこそ、心が内にばかり向いていて、周りへの気遣いがまったくないじゃないか」そこへ弟子を連れた儒学の先生が通りかかった...

医者が泊まりで寝ずの看病をすることになった。夜中に腹が痛くなった医者は、どうにも我慢できず、薬箱を便器がわりに使った。翌朝、医者がうとうとしていると、主人が薬を探しにきて薬箱を開けてしまった。「うわ～、これはなんだ。もしかしてウンコか？」薬...