中国笑話集

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銀の馬桶

昔の中国では、家の中に『馬桶』(マートン)という壺が置いてあり、それをオマルとして使っていた。ある日、男が銀細工屋に来て言った。「小さくていいから、銀製の馬桶を作ってくれ」不思議に思った店主が言った。「馬桶なんて陶器でじゅうぶんじゃないです...
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偉い冠

高級官僚が召使いの小僧に言った。「これは皇帝から頂いた大切な冠じゃ。よく磨いておくのじゃぞ」小僧はいつものように返事をした。「へ~い、わかりやしたー!」主人の冠を磨きおわった小僧は、牛の角に冠をひっかけて乾かした。しばらくして、牛に草を食べ...
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陰と陽がまみえる

自分の学を自慢ばかりしている男がいた。ある日、男が妻の布団に入って言った。「いまから名句で会話しようじゃないか」妻は目をつむったまま答えた。「はい、わかりました」いよいよ挿入しようという段になって、夫が妻にささやいた。「丹凰(赤い縫い目=女...
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饅頭怖い

貧乏な男が一計を案じた。男はマントウ屋の店先で苦しい振りをして大げさに倒れ込んだ。驚いた番頭が店から出てきて言った。「おまえさん、大丈夫かい?」男は心の中でしめしめと思いながら答えた。「は、腹が減って死にそうなんです」新手の物乞いだと気付い...
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極めた結果

煉丹術を極めた道士が死の床に伏せっていた。見舞いに来た幼なじみが言った。「おまえは煉丹術の大家なんだから、不老不死の薬を作って飲めばいいだろう。どうして死にそうになってるんだい?」道士が寝たままで答えた。「病気を治す丹を作るには高価な材料が...
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死者が人質

貧乏な男が死んだ。残された妻はなけなしの金を払い、僧侶に経文を読んでもらった。読経が一段落したところで僧侶が言った。「奥方、お布施が不足して、旦那様が三途の川で迷子になっておられます。このままでは冥途へ行ってしまうかもしれません」妻はヘソク...
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術の手ほどき

子供の新米道士が青年の先輩道士に頼んだ。「先輩、はやく道術を覚えたいんです。どうかボクに教えてください」先輩道士が言った。「それなら今晩、オレの部屋に来い。特別に教えてやる」その日の夜。 132「先輩、約束通り伺いました!」「よし、入れ!」...
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気持ちいいこと

あるところに、とても仲のよい老夫婦が住んでいた。ある晩、老夫婦の部屋から妙な声が聞えてきた。不審に思った息子が、障子ごしに聞き耳を立てると「あ~気持ちいい。あ~気持ちいい」という母親の声がする。息子は思わずつぶやいた。「あんな年になっても、...
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長くなる

ある夜、修行僧が尼寺へ来て、一晩の宿を求めた。尼寺は男子禁制だったが、修行僧が懇願するので、尼僧はしぶしぶ了解した。客室へ案内した尼僧が修行僧にお茶を出しながら言った。「『女断ちした男僧の一物は年ごとに長くなる』と聞いたのですが、それは本当...
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御仏の御加護

貿易船が海で難破してしまった。暗礁に乗り上げてしまい、船を動かすことができなくなった。一ヵ月後、水も食糧も尽き、乗組員の多くが餓死しかけていた。そこへ一艘の船が通りかかった。船員たちは最後の力を振り絞って声を出した。「お~い、助けてくれ~」...