中国笑話集

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子供の見立て

客のまったく来ない占い師が自分から声をかけて客引きをすることにした。そして、そこへ子供が通りかかった。「おい、そこのボク。安くしとくから人相を見てもらわないかい?」子供が振り返って言った。「あんたが見るのかい?」「もちろん、そうだよ。ここに...
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夜泣きのクスリ

小さな息子の夜泣きを心配する庄屋がいた。街に優秀な小児科医がいるという噂を聞いた庄屋は、みずから街へ出かけて行き、その医者を捜し出した。そして、大金を積んで村まで往診に来てもらった。医者は赤ん坊の脈をはかり、目と舌の色を確かめて言った。「大...
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田舎と街のモンシ

俗語で門番をモンシ(門子)、蚊もモンシ(蚊子)という。下級役人の職を得て、田舎から街へ引っ越してきた男がいた。ある日、男が城門の前を通りかかると、「モンシ、モンシ、ちょっとこっちへ来い!」という声が聞えてきた。モンシが蚊だと勘違いした男は、...
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隣家の食卓

ある下級役人が結婚した。その下級役人は食事の時間になると隣家へ食卓を借りに行った。不思議に思った妻が尋ねた。「うちにもちゃんとした食卓があるのに、どうしていつもお隣から借りてくるんですか?」下級役人が答えた。「他人の家で食べるのに慣れすぎて...
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見栄っ張り男

あるところに見栄っ張りな男が住んでいた。あるとき、男の家に泥棒が入った。泥棒は家中かき回したが、金目の物を見つけることはできなかった。泥棒が手ぶらで出て行こうとしたとき、男が声をかけた。「泥棒様、ここに銅銭が何枚かありますから、これをお持ち...
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はじめの客

元旦の朝、女郎が年始客をつかまえようと大門の前に立っていた。すると、男が声をかけてきた。「一文しかないが、それでもいいかい?」あまりにも小額だと憤慨した女郎が言った。「何を言ってるんだ。あたしゃあ、そんなにお安くないよ!」側で話を聞いていた...
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クモの糸で作った錦

将軍の寵愛を受けている若者が錦の衣を着ていた。それを見て友達が言った。「おまえが着ているその錦は、カイコが吐いた糸でつくったの? それともクモの糸でつくったの?」若者が不思議そうな顔をして言った。「カイコの糸でつむいだのは絹だろ。でも、クモ...
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無駄な抗議

あるヤブ医者がさんざんお金を使わせた挙句に患者を死なせてしまった。怒った主人が息子に言った。「どうにも腹の虫がおさまらない。おまえが診療所へ怒鳴り込んでやれ!」「わかりました、父上。すぐに出発します」しばらくして息子が戻ってきたので、主人が...
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泥棒の泥棒

あるとき、泥棒が貧乏人の家へ盗みに入った。いろいろ物色したが、素焼きの壺に入った米しか見つからなかった。泥棒は上着を脱いで床に広げ、そこへ米をあけようとした。そのとき、寝たふりをしていた貧乏人が「泥棒!」と叫んだ。泥棒が慌てているすきに、貧...
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足を洗うとき

男色を生業としていた男に、やっと息子ができた。子供の将来を心配した親戚が言った。「おまえはいつまでそんな仕事をしているんだ! はやく足を洗って、まっとうな仕事をせんか。この子がかわいそうだろう」男は申し訳なさそうに言った。「足を洗いたいのは...