中国笑話集

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ネズミの生まれ

ネズミ年に生まれた官僚の誕生会があった。部下の役人たちはなけなしの金を出し合って、純金で作られたネズミの置き物を贈った。上役のキャリアにへそを曲げられると、仕事と収入が途絶えて生活していけないからだ。宴がたけなわになったころ、官僚が自分の妻...
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読めなくてもいい手紙

あるところに商売が成功して金持ちになった男が住んでいた。しかし、男は貧農の出で字の読み書きができなかった。ある日、金を貸した家から召使いがやって来た。召使いは返済期日の延長を依頼する主人の手紙を持っていた。男は手紙を逆さまに持って読んだふり...
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父の功徳

たいして頭が良いわけでもないのに科挙の殿試に合格した若者がいた。初登庁した日の夜、夢の中に閻魔大王が現れて言った。「これから真面目に勤め上げるのだぞ」若者がつねづね疑問に思っていたことを尋ねた。「閻魔様、わたくしなんかがどうして最高級の試験...
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すっぱくて臭い人

あるとき、子虎がねぐらに帰ってきて母虎に言った。「今日、都まで遠出して人を喰ったのですが、いままでにない変な味がしました」母虎が尋ねた。「どんな味がしたんだい?」子虎が眉間に皺を寄せて答えた。「ヘソから上がすっぱくて下が臭いのです。もう二度...
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受験と出産の難易度

科挙試験に失敗ばかりしている夫がいた。ある日の夫婦の会話。「旦那様、お受験というのはまことに大変なものでございますね。三十年勉強してもまだやることがあるんですもの」「心配するでない。いまオマエのお腹にいる子が出てくるまでには絶対合格してみせ...
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男と男の勘違い

男色好きの男が旅館の大部屋に泊まった。そのとき、ヒゲが抜けた老人と隣り合わせになった。男は老人をなでまわし、毛がないので少年だと思った。男は老人に襲いかかったが、運がよかったのか悪かったのか、老人も男色家だったので二人とも気持ちよくねんごろ...
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泥棒みたいな人

教室で先生が言った。「泥棒みたいに酷い人を挙げなさい」一番目の生徒が言った。「自分で発起人になって集めたお金をピンハネする坊さんです」二番目の生徒が言った。「わざと計算間違いして客に余分な金を払わせる商人です」三番目の生徒が言った。「いろん...
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あるべきもの

将軍の寵愛を受けていた若者が結婚した。初夜。夫が股間でなく臀部をすり寄せた。妻が出されたものをさすって言った。「あれ? あるはずのものがありませんね」今度は妻が陰部をすり寄せた。夫が妻の股に手を入れて叫んだ。「おい! 肝心なものがないぞ!」
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学生の本分

とある地方の大学に遊んでばかりいてまったく勉強しない学生がいた。先生の注意に対しても馬耳東風だったため、とうとう学長室に呼ばれた。以前から報告を受けていた学長は顔を真っ赤にして怒った。「オマエは、どうしてさぼってばかりいるんだ! 孔子様に申...
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出世占いの結果

科挙の受験生が占い師のところへ行った。「はじめは何をみましょう?」「一次試験に受かるかどうか調べてください」占い師は氏名の画数を調べて答えた。「一番で通過します」「次は何をみましょう?」「二次試験に受かるかどうか調べてください」占い師は生年...